
自分の会社と、4社目のはじまり
自分の会社を立ち上げたはいいものの、
「最初に何からやる?」
というところは決めきれていなかった。
そこで、自宅の1階を賃貸に出していたこともあり、
その管理業をとりあえず行う形で、会社の売上を少し立てることにした。
当然、これだけでは食べていけないし笑
当時、妻のおなかの中には一人目の子どもがいたため、働く必要があった。
1か月の休みを経て、僕はまたベンチャー企業に入社した。これが4社目の会社だ。
この会社も上場を目指していて、もう
「上場を目指している企業の専用機」
みたいになってきていた笑
会社での仕事はまただいたい同じで、
「まずは、しっかりと毎月月次決算を締められるようになること」
「社内のガバナンス体制を上げていくこと」
だった笑
幸いこの会社は、書類等についてはきちんと整理整頓されていて、
月次決算を締められるようになるのも早かった。
僕自身もさすがに3回目になってくると慣れてきていて、仕事に関してはしっかりできていたと思う。
けれど、内心では少し新鮮さがなくなってきているのを感じていた。
入社時は平社員だったけど、しばらくして管理部の部長にも昇進させてもらえた。
「ああ、自分も成長しているんだな」と実感したのを覚えている。
初めての「買い側」M&Aで感じたこと
でも、そこはやっぱりベンチャー。
また新しい出来事が起こる笑
とある会社をM&Aすることになった。
3社目の会社ではM&Aの“売り側”だったが、今回の会社では“買い側”の経験ができることになった。
ちょうど当時、上司は上場準備、僕はM&Aと、
ある程度担当を分けてやっていたこともあって、
買い側のプレッシャーを強く感じた経験だった。
やはり「買う側」となると、かなり神経を尖らせる必要があった。
先方の会社の財務状況やガバナンス状況、
同じグループ会社になって本当にシナジーが出るのか、
隠れたトラブルはないのか──
売り側とは違い、買い側では様々な指標を確認する必要があった。
こういった経験をさせてもらい、また一つ、
自分としては新たな引き出しが増えた気がした。
上場準備とM&Aのジレンマ
ただ、上場準備中の組織変更というのは、一般的には避けた方が良いとされている。
新しい会社が同じグループの中に入ってくると、
自社では連結決算を行わないといけないし、
新しい会社側も、親会社と同等レベルの管理体制を敷かなければならなくなる。
それらを含めて、すべて上場審査時にチェックが入るため、
当然ながら審査通過の難易度も上がるし、審査時間も増えることになる。
僕は結局この会社を約2年半ほどで辞めることになるのだが──
2025年の現在、この会社がまだ上場していないことを考えると、
当時のこの判断が正しかったのかは、なんとも言えないところなのかなと思っている。
不動産への決意と、新たな選択肢
この会社で働きながら、僕は
「この先、自分の会社をどうしようか」
と考えていた。
やはり仕事をしながら副業で別のことをやるのは、
時間的にも精神的にもかなりハードルが高いと感じていた。
さらに2018年には第一子も生まれ、慣れない子育てに奔走していて、
なかなかまとまった時間も取れなかった。
そこで、色々調べたり考えた結果──
「不動産を買って賃貸業をしていこう」
と心に決めた。
なぜそう思ったのかは、また別の機会に書きたいと思う。
実際に、この会社に勤めている間にいくつか不動産を購入したが、正直いくつか失敗もした。
やっぱり知識も資金力もたいしてない素人が参戦するのは、結構難しいなと感じた。
「もっと不動産を学びたいな」
「でも今から不動産会社に転職?それは無理やろ笑」
そんなことを考えていたある日、転職エージェントから面白い情報が流れてきた。
「これから上場を目指す不動産会社の求人がありますけど、一回話聞いてみますか?」


