3社目、再び上場の舞台へ

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3社目の挑戦

2015年9月、僕は3社目の会社に入社した。

この会社も上場を目指していて、これまでの経験を買ってもらい、上場準備担当として迎えられた。

入社初日には歓迎会が開かれ、「ひと言お願いします」と言われた僕は——

「来月、彼女(いまの妻)にプロポーズします!」と大発表。

今思えば、

「いや、まず仕事の話しろよ!」

ってツッコミたくなるけど、その時はそれが自然に出たからしょうがない笑

(ちなみにプロポーズは無事成功し、その後結婚した)

整っていない社内

当時の管理部はCFOの上司ひとりだけで回しているような状態。

書類は袋に詰め込まれたまま山積み、会計処理も現金処理が多く、

「これで本当に上場するつもり!?」

って思わず突っ込みたくなるような環境だった。

まず2〜3か月かけて、ひたすら書類整理からスタート。

何がどこにあるか分からない状態から、1枚ずつ確認し、
分類し、足りない資料は各部署に依頼して集める。

同時に、毎月の月次決算も締めなきゃいけない。

はたから見ればけっこうハードな状況だったと思う。

でも、前職で鍛えられていたおかげで、

精神的に追い詰められることもなかったし、終電で帰るようなこともなかった。

「ちゃんと乗り越えられてる自分」に、小さな自信を感じていた。

数か月後には業務のルーチン化も整い、証券会社や監査法人との打ち合わせも本格化。

再び「上場」という、あの戦いの渦中に突入していった。

骨折・サンダル通勤の日々

少し話は脱線するけど、この会社にいた時期、家で足の小指をぶつけて骨折する事件が起きた笑

思いっきり角にぶつけて、なんとか会社までは行ったけど、紫に腫れ上がり激痛も笑

「これはあかん・・・」

と思い病院に直行したら「剥離骨折」と判明。

半年間、革靴が履けず、スーツにサンダルという異様なスタイルで通勤していた。

もしこれが営業職だったらアウトだったと思う。

その状態で妻(当時彼女)と沖縄旅行にも行って、

サンダル&包帯で撮った写真は、今でも我が家の爆笑ネタになっている笑

そして仕事では、上場準備と並行して、本社の移転や採用活動にも関わることに。

ベンチャー企業では、ひとつの役職にとどまらず、幅広く業務を任されることが多い。

このとき採用担当をしていて、ある種「人の難しさ」や「組織をつくることの重さ」を身に染みて感じた。

求めている人材像が社内でズレていたり、採用した人がすぐに辞めてしまったり……。

誰かを「雇う」ということは、責任だけじゃなく、人の人生にも向き合うってことなんだと実感した。

この経験から、僕は心の中で決めた。

「将来自分が会社をやる時は、“人を雇わない”やり方にしたい」

と。

昇進初日にやらかした、大遅刻

そんななか、1つだけ今でも強烈に覚えている「やらかし」がある。

マネージャーに昇進が決まり、その前夜は退職する同僚の送別会へ。

そのまま朝まで飲んで、「一回家でシャワー浴びてから会社行こう」と思ったのが運の尽き。

ベッドで寝落ちし、起きたらまさかの出社時間を大幅にオーバー。

マネージャー昇進日に大遅刻という、最悪のデビュー。

上司からは鬼電の嵐。出社したのは11時半すぎ。

全力で謝るしかなかった。

社会人生活で唯一の遅刻が、よりによってこの日だったというのが、もう…笑うしかない。

仕事も人生も動き出した1年

ちょうどこの頃、結婚式の準備も進めていた。

朝から晩まで働いて、週末は打ち合わせに駆けまわり、気づけばあっという間に1年が過ぎていた。

上場準備という大きな仕事に向き合いながら、人生の転機も迎えていたこの1年。

ドタバタの中でも、確かに自分の“地力”がついてきている感覚があったし、

「この経験はいつか、自分の武器になる」

——そんな思いが、少しずつ芽生えていった。

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